一般の高血圧と同様に、生活習慣の改善と薬物療法の両方が重要です。塩分過多や偏った食生活、肥満、運動不足、飲酒・喫煙といった、高血圧の原因と考えられる生活習慣を見直していきましょう。また、お薬を飲む際のポイントやお薬の種類、医療機器による治療法、高血圧専門医による治療についても紹介します。
生活習慣の改善


食生活の見直し:
塩分は1日当たり6g未満を目標に減塩を意識しましょう。野菜・果物に含まれるカリウムはナトリウム排出を助け、血圧管理に有効です。ただし、肥満・糖尿病がある場合は果物の摂りすぎに注意し、腎不全がある場合は病期に応じてカリウム制限が必要です。
体重管理:
肥満は高血圧のリスクを高めます。BMI(体重(kg)÷身長(m)²)が25未満を目標に食事・運動を見直しましょう。BMIが25未満でも、腹囲や内臓脂肪量が多いと血圧が上がりやすいため、健診結果にも注目してください。
運動:
運動は血圧低下にも効果があることがわかっています。ジョギングや踏み台昇降などの有酸素運動は血圧低下に有効といわれています。負荷が強すぎる運動は逆効果になるため、無理のない範囲で、できるだけ毎日継続して取り組むことが、より高い降圧効果につながります。
節酒・禁煙:
お酒の飲み過ぎや喫煙はさまざまな病気の原因として知られていますが、高血圧とも無関係ではありません。飲酒は長期的に血圧を上昇させます。アルコール摂取量は、男性1日20~30ml、女性10~20ml(エタノール換算)に抑えましょう。喫煙は、紙巻きたばこ1本で15分以上血圧が上昇するため、禁煙が推奨されます。
薬物療法

高血圧の治療薬には様々な種類の薬があり、患者さんの病状や合併症、副作用を考慮して処方されています。処方には専門的なガイドラインがあり、患者さんの状況に応じ、段階的に治療薬を増やしていく治療ステップが定められています。これに従い、患者さんの症状、降圧目標の達成状況、治療薬の内容・服用状況などを総合的に医師が判断した上で、薬を用いた治療内容を決定します。
治療抵抗性高血圧では、治療薬の効果が持続する時間が不十分だと、血圧が十分に下がらない時間帯が生じやすくなります。このような状態を防ぐため、朝夕の家庭血圧や24時間血圧を適切に測定することが重要です。
また、医師の判断により、より効果的な治療のため、異なる種類の薬剤の追加、服薬時間の変更、朝1回を朝夕の2回服薬へ変更する場合があります。
このような薬物療法については、医師が治療方針について十分に説明し、患者さんが安心して治療を続けられるようにしています。
以下に代表的な高血圧治療薬を記載します。
・CA(カルシウム)拮抗薬(血管を広げる薬)
・RAS(レニン・アンジオテンシン)系阻害薬(血管を広げる薬)
・利尿薬(余分な水分と塩分を尿として出す薬)
・β遮断薬(交感神経の働きを抑える薬)
医療機器による治療法
生活習慣の改善と薬物療法のほかに、治療抵抗性高血圧症の治療法の一つとして、医療機器(カテーテル)を用いた腎デナベーション治療があります。生活習慣の改善や降圧薬の服薬等により血圧がコントロールできない(血圧が目標値まで下がらない)治療抵抗性高血圧症患者さんの中で、専門医の診断により適切と判断された方はこの治療を受けることができます。
血圧の調節には交感神経が関わっており、交感神経が活発になると血圧の上昇につながると言われています。腎デナベーションは、カテーテルを用いて腎動脈周囲の交感神経を加熱/焼灼し過活動を抑えて血圧低下を目指す治療です。治療は概ね1~2時間程度で完了し、入院期間は数日程度です。
高血圧専門医による治療
治療抵抗性高血圧の原因とリスクのページで記載した通り、治療抵抗性高血圧の場合には脳心血管疾患発生リスクが高いとされています。また、治療薬の併用や高用量投与によって予想外の副作用や血圧低下が起こる可能性もあるため、高血圧専門医による治療が推奨されています。
なかなか血圧が下がらないとお悩みの方は、まず自己判断せずにかかりつけ医に相談することが重要です。その上で、高血圧専門医を紹介された場合は、指示に従って速やかに受診しましょう。
【参考文献】日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会編:「高血圧管理・治療ガイドライン2025」ライフサイエンス出版
【参考情報】日本高血圧学会「一般の方」ページ (生活習慣、高血圧専門医、出版物など)
【監修】苅尾七臣(かりお・かずおみ)先生
自治医科大学内科学講座循環器内科学部門教授
