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治療抵抗性高血圧の原因は?

治療抵抗性高血圧の原因は、一般の高血圧と同様に、生活習慣や遺伝、加齢、他の病気の影響など、さまざまなものがあります。原因を特定できない高血圧(本態性高血圧)と特定の原因による高血圧(二次性高血圧)があり、病状も治療法も大きく異なります。治療を受けていても血圧が下がらない場合は、医師によりその要因を確かめ、適切な対策をとることが必要です。

治療を受けていても血圧が下がらない場合の一般的な要因としては以下が挙げられます。
・生活習慣(食塩の摂りすぎ、肥満、お酒の飲みすぎ、喫煙、運動不足)
・処方された薬を医師の指示どおり服用していない
・不適切な薬物療法
・二次性高血圧(睡眠時無呼吸症候群(SAS)や内分泌性高血圧など、他の疾患の影響で血圧が上がってしまうこと)
・血圧測定の不備(測定環境、不適切なカフ使用、記録の不備、偽性高血圧)

血圧が下がらない原因を正しく把握するには、正しい方法で血圧を測定し記録すること、生活習慣の改善に取り組むこと、降圧薬を医師の指示どおり服用することが重要です。他の医療機関にかかっている場合は、診断名や処方されたお薬についても主治医に伝えることも大切です。また、いびきをかく場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性もあるので、自覚症状がある場合は医師に伝えてください。

治療抵抗性高血圧によって引き起こされること

高血圧をそのままにしておくと、脳心血管疾患や腎不全などの合併症につながるリスクがあります。脳心血管疾患の中でも脳卒中や心筋梗塞などは突然起こる病気で、命に関わります。また、腎臓の働きが悪くなって腎不全になると、場合によっては人工透析が必要となることもあります。

治療抵抗性高血圧によって引き起こされるリスク

なかでも、治療抵抗性高血圧は、臓器障害(心臓や腎臓などの臓器の働きが悪くなること)を起こしたり、脳心血管疾患の発生リスクが高い状態となっている患者さんを多く含むとされています。
国内で行われた大規模臨床研究(J-HOP研究)では、適切に血圧コントロールができている患者の1年間あたりの脳心血管疾患発生率は、1000人あたり3.3人でした。一方、治療抵抗性高血圧では34.7人と、脳心血管疾患発生リスクは10倍以上高い値を示しました。
このため、治療抵抗性高血圧の場合はより適切な高血圧治療が求められます。血圧が高い状態を放置せず、適切に血圧コントロールを行うことが脳心血管疾患発生リスクを低下させるうえでは大切だといえます。

※Kario, et al. Hypertension. 2025 Dec;82(12):2241-2251.


【参考文献】日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会編:「高血圧管理・治療ガイドライン2025」ライフサイエンス出版
【参考情報】日本高血圧学会「一般の方」ページ (生活習慣、高血圧専門医、出版物など)
【監修】苅尾七臣(かりお・かずおみ)先生
   自治医科大学内科学講座循環器内科学部門教授